背中にまで気を遣って生きている人間は少ない。
アイドルや俳優など、不特定多数の前で背中を出す衣服を着る可能性のある人間ばかりだろう。
つまり、我々は基本的に、背中に気を遣って生きている少数の人間の背中ばかり見ていることになる。
その少数の人間の背中ばかり見るものだから、多くの人間にとって背中100あったら99がきれいな背中に違いない。
思い出してほしい。
あなたの記憶にある背中は、グラビアやドラマ、映画におけるツヤツヤで毛や傷ひとつない、美しい背中ではないだろうか?
では次に、てめえの背中を鏡で見てほしい。
どうだろうか。
その背中、ツヤツヤで毛や傷ひとつないだろうか?
ある。
ブツブツだったり毛だらけだったり、ほくろだらけだったり、一昨日ポリポリ掻いた爪痕が残っていたりしないだろうか?
あるだろう。
これまで見てきたたくさんの背中データは、ピラミッドの上の方のもののみなのだ。
だから、自分や友達、家族、恋人の背中が多少汚くてもガッカリしてはいけない。
今日、髪も顔も服もキメてた女性の背中が遠目から見ても荒地だったので、肝に銘じた。
たまには見ようね自分の背中