それは秋だ。
冬の気配なので寒い。
夏の残りなので暑い。
いそいそと買った秋物は、秋と呼ばれる9月から11月くらいの期間中2回くらいしか着る機会がない。
寒いまたは暑いからだ。
朝晩13度くらいに冷えたとて、昼は25度と汗ばむ陽気になるなんてこともザラだ。
シンプルに気温差10度なんていうのもイカれている。
そんな日は脳死してTシャツを着て、一枚パーカーかカーディガンを羽織る。以上でも以下でもない。
昼間荷物になるが朝晩凍えるより致し方ない。
それでも毎年秋物ファッションが売りに出される。
主にアースカラー、ワンポイントにカラフルなニット帽を被らせることもしばしば。
上級者のお姉さんはジャイ子が被ってるタイプの帽子を被ることもある。
私のような万年オシャレ初心者は、ジャイ子が被るような帽子を被ると、ジャイ子になるので厄介だ。
美容院で読んだ雑誌を鵜呑みにして、アクセントにふわふわ素材のジャイ子が被るとタイプの帽子を買ってみようものなら、さらに上級者がやっている黒縁の伊達メガネをかけてみようものなら、完全に売れない漫画家になる。
でもキラキラスタッズやビーズが付いているならいくらジャイ子が被ってる帽子でもジャイ子感出ないのでは?などと思ってはいけない。
ちょっと大きめサイズだし、キャスケットっぽく被れるかも?などと思ってはいけない。
前者はキラキラしただけのジャイ子だし、後者はもしかしたらスーパーマリオのキノピオとあだ名が付くかもしれない。
ジャイ子の帽子の名前、ベレー帽だった。