ビーガンの知人がいる。
彼女は言った。
ビーガンの人は嫌われる、なぜならビーガン主義を他人に無理強いしようとするからだと。
彼女は言った。
不都合な真実を見てビーガンになる決心をしたと。
彼女は言った。
お店はどこでも大丈夫、食べられるものを食べるからと。
彼女は言った。
好きな物食べていいよ、と。
うーん、オニオンフライとポテトフライ、枝豆、あとはサラダが食べたいな!
私は使った。気を。
彼女は言った。
ここのビーガン料理美味しでしょと。
えー美味しい!通常のカレーとの違い全然ない!スパイシー!
これはこれで美味しいけど、通常のカレーとは違うんだ。
私はまた、気を使った。
※数年ぶりに調べたら、もうその店はなくなっていた。
彼女は言った。
タンパク源が限られているから、たくさん豆料理のストックがあるのだと。
酸っぱい豆、甘い豆、しょっぱい豆。
振る舞われた酸っぱい豆は、シンプルにすっぱかった。
最後に、彼女は言った。
でも豆も食べられる量限界あって、肉や魚には勝てない。タンパク質は常不足してて、体に影響あると思うことがある。
そう力なく笑う彼女の前歯には、口紅が付いていた。